重度訪問介護について
重度の肢体不自由または重度の知的障がいもしくは精神障がいにより行動上著しい困難があり常に介護を必要とする方に対して、ホームヘルパーが自宅を訪問し、入浴、排せつ、食事等の介助、調理、洗濯、掃除などの家事、生活等に関する相談や助言、見守り・コミュニケーション支援や外出時における移動中の介助など総合的に長時間に渡って行います。
このサービスでは、生活全般において介護サービスを手厚く提供することで、常に介護が必要な重い障がいがある方でも、在宅の生活が続けられるようにお応えしていくサービスです。事前にサービス内容を固定せず、その時々のご利用者様の状況に合わせて包括的かつ柔軟に支援を行います。また筋ジストロフィーや筋委縮性側索硬化症(ALS)などの難病、脊髄損傷、脳性麻痺、重度心身障害、強度行動障がいなどの方をはじめ、人口呼吸器や胃ろうまたは腸ろう等使用されている方への喀痰吸引や経管栄養・経鼻経管栄養などの栄養注入を含めた医療的ケアも対応可能になります。
重度訪問介護の対象者
障がい支援区分が区分4以上であって、次の1か2のいずれかに該当する方が利用できます
1.次の2項目のいずれにも該当している方
- 二肢以上に麻痺等があること
- 障がい支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれも「支援が不要」以外と認定されていること
2.障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である方
- 行動関連項目等:コミュニケーション、説明の理解、大声・奇声を出す、異食行動、多動・行動停止、不安定な行動、自らを傷つける行為、他人を傷つける行為、不適切な行為、突発的な行動、過食・反すう等、てんかん発作の頻度(これのみ医師意見書による):それぞれ程度に応じて 0・1・2 の3段階で点数化する
利用できる期間・年齢
重度訪問介護のサービスは1年ごとの更新が必要ですが、利用年齢の制限はありません。65歳以降は障がい福祉サービスではなく介護保険制度を利用することが基本となります。重度訪問介護は介護保険制度にはない障がい福祉サービスです。ただし、介護保険にも定期巡回型のヘルパーサービスがあるので、65歳以降にも重度訪問介護を利用できるかどうかは、市町村が判断することになります。
利用方法
重度訪問介護は、障がい福祉サービスの「介護給付」になります。市町村の障がい福祉の窓口に相談の後、「サービスの利用申請」「障がい支援区分の判定」「サービス等利用計画の作成」「市町村の支給決定と受給者証の受け取り」という申請手続きを進める必要があります。
申請からサービス利用の流れ
障がい福祉サービスの制度である「重度訪問介護」では、利用者の障がい特性や生活実態を勘案し、公的制度として支給決定されたサービス時間内の介護サービスを受けることができます。
重度訪問介護で利用料金の減免を受ける条件
重度訪問介護では、利用料金を減免する制度があります。対象となるのは、以下に該当する方です。
1収入が生活保護基準よりも低い人
生活保護基準より収入が低く、資産もない方は、重度訪問介護サービスの減免を受けられます。
生活保護を受けておらず今後も申請する予定のない人でも、障がい福祉サービスや介護保険等にかかる自己負担額が減額されます。
減免を受けるには、生活保護境界層減免申請が必要です。
2身近にサービス提供を受けられる事業所がない人
身近に利用できる介護保険サービスの事業所がない、または事業所の利用定員がいっぱいで利用できないなどの場合も、利用料金の減免が受けられます。
その場合市町村が、障がい福祉サービスに代わる介護保険サービスの利用が困難と判断した場合、該当の事情が解消するまで介護給付または訓練等給付が受けられます。
✖重度介護でできないこと
- 利用者の不在時におけるサービス提供
- 商品の販売など生業を援助する行為
- 利用者以外のための家事援助 ※育児支援を除く
- 直接、本人の援助に該当しない行為
- 日常生活に支障が生じないと判断される行為
- 医療行為(喀痰吸引や経管栄養の医療的ケアも対応可能)
- 服薬管理
- 銀行への預貯金の引出代行
- リハビリ、マッサージ、散髪、カミソリによる髭剃り
- 通勤、営業活動等経済活動に係る外出
- 政治活動や宗教活動を目的とした外出
- 見守りのみの支援
- 道路運送法に基づく許可を受けていない事業所のヘルパーが運転する車を利用した外出
- 通年かつ長期にわたる外出(移動支援の通学通所支援を除く)
- ヘルパーが単独で外出するもの
- 社会通念上適当でない行為
- 一日の範囲で用務が終了しない外出
- 余暇支援目的の代読、利用者自身の契約に関する代筆
同行援護について
資格の障がいがある方の外出において『視覚的情報の支援』『移動の援護』『排せつ・食事などの援助』
を提供する障がい者総合支援法に基づくサービスです。
外出時に付き添い、必要な情報提供など適切かつ効果的に援助・支援します。
- 予防的対応
- 外出先で不安定になったり、不安をまぎらわすための不適切な行動が出たりしないよう、事前に目的地での行動を説明したりしてもらえます。また、どんな条件のときに、行動障害が起きるかを知り、予防対応をしてもらえます。
- 制御的対応
- 行動障害を起こしたときに適切に対応してもらえたり、危険を認識できないために起きる不適切行動や自傷行為を適切に収めてもらえたり、突然、動かなくなったりや、強いこだわりを示すなどに対応してもらえます。
- 身体介護的対応
- 便意の認識ができない人に対してその介助や後始末や、外出時の食事の介護、外出前後の衣服の着脱介護などをしてもらえます。
〇同行可能な外出先
- 通院・買い物・選挙投票・散歩・スポーツ・美術館、映画館等
- お墓参り、礼拝、初詣等
- 原則、一日の範囲で用務を終えるもの
✖同行援護において提供できないサービス
- ギャンブル、風俗等への同行
- 通勤・通学(通年かつ長期にわたる外出に該当する為)
ただし、単発や短期間であれば利用できる可能性はあります
- 宗教の布教や政治活動等
行動援護について
日常生活に必要な様々な「行動」面において著しい困難がある知的障がい者、または精神障がい者に対し、移動や行動する際に生じる危険を回避する為に必要な援護、また外出時における排泄、食事等の介護のほか、行動する際に必要な援助を行います。
- 外出時における移動時や外出先において必要な視聴覚的情報の支援(代筆・代読を含む)
- 外出時における移動時や外出先において必要な移動の援護や排泄・食事等の介助
- 社会参加や余暇活動においての同行支援
対象者 |
知的障がい・精神障がい・難病等対象者・障がい児のうち次の二項目に該当する方が利用できます。
1障がい支援区分が区分3以上
2障がい支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上
(障がい児にあたってはこれに相当する支援の度合)であるもの。 |